ふくろうブログ

夏は、プール・海水浴・川遊び(どれも疲れやすい)、花火・蚊取線香・お墓参り(お線香)・バーベキュー・里帰り(客用布団)の季節。
これらはいずれも、気管支喘息の発作を起こしやすい条件になります。

気管支喘息のひとでは、気管支の粘膜が煙やホコリなどの刺激にとても過敏な状態になっています。なぜ過敏になっているかと言えば、気管支粘膜に慢性的なアレルギー性の炎症が起こっているからです。

なぜ慢性的な炎症が起こるようになったのか、残念ながらその原因はまだ解明されていません。ともかく、慢性的な炎症があるために、些細なきっかけでも、その炎症が一気に悪化して、発作になるわけです。

 いったん発作がおこってしまうと、息苦しいので日常生活に支障をきたし、症状を抑え込むためにたくさんの薬が必要になります。発作を起こさないように予防しておけば薬は少量で済み、日常生活も乱されません。

 喘息の発作が起こらないように予防するには、気管支粘膜の慢性炎症を抑え込む必要があります。予防的治療としては以下の方法が主流です。

①アレルギー反応(特定の刺激が来たときに過剰に反応すること)を抑え込む薬を、発作がないときでも常時使用しておく。
   → インタール吸入や抗アレルギー薬の内服など

②でこぼこに荒れた気管支の粘膜(医学用語で“粘膜の炎症”と言います)を、なめらかに整地する薬を毎日吸入する。
   → 吸入ステロイド療法(アレルギー反応も強力に抑える)

これらの予防的治療にもちいる薬をコントローラーと言います。
予防的治療を長く継続しても、それでも発作が起こることはあります。
その場合、発作を抑える対症療法薬(リリーバーと言う)の気管支拡張剤を吸入、内服、貼り薬などで使い、とにかく発作をきりぬけます。

発作のたびに気管支粘膜が荒れますから、予防的治療で発作をなるべくさけるようにすれば、次の発作が起こりにくくなります。
気管支喘息では、予防的治療が主で、発作の治療は従にすぎません。

予防的治療を続けながら、ひたすら気管支の成熟完成を待ちます。
体格がおとな並になってもなお喘息発作を起こしている子どもさんでは、残念ながら成人後もずっと喘息から免れない可能性が高くなります。

成長途上にある子どもさんでは、気管支粘膜の炎症が治ってしまう可能性も十分に望めるので、小児期こそ喘息治療の絶好のチャンスなのです。
2年から3年くらいは予防的治療を継続したほうがよい結果になります。
夏休みを思いきり遊ぶためにも、一日も早く予防的治療を始めましょう

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