前号でクリームは親水性で汚れを落とす作用、軟膏は親油性で保湿と皮膚保護作用という説明をしました。クリームはあとで落とすことを前提にしており、皮膚への刺激性は軟膏より強いのです。ただしステロイドの場合には、軟膏だけでなくクリームも皮膚への刺激性は弱くなります。
これは、基剤がクリームであるか軟膏であるかの差よりも、主薬であるステロイドの作用が前面に出るためです。ちなみにアトピー性皮膚炎の炎症を抑えるには、ステロイド外用薬しか効きません。しかし荒れて乾燥した皮膚を外からの刺激から守るためには、保湿剤の併用が必要です。