あんたは、何で、人の自転車やら盗んだとね?おまえは、どうして、お父さんの言うことが聞けんとや?何で、先生の言うとうりにせんとや?どうして、こげんこつが分からんとや? あんたちゅう子は、お母さんの言うことば、じぇんじぇん聞いとらんばいね、なしてかねえ?
家庭・学校・職場で、1日中、このような会話がくり返されていることと思います。
普段は目立たない、あの少年がどうしてこのような凶悪犯罪を? 何が少年を凶行に走らせたか?なぜ、このような異常な事件が起こってしまったのか?
報道メディアの発想も同じです。異常な事件や事故では真相究明をしたいのが正常な反応です。健全な精神力を有しているはずの人が引き起こした事件・犯罪では、原因・理由を問うことは、おかしくありません。そうしなくても済んだはずの、別の選択肢を、当事者が認識し、理解することが再発・再犯防止に重要だからです。
しかし、ここでちょっと考えておくべきことがあります。不登校やひきこもりや、うつ状態など、心の活動エネルギーが低下している時には、なぜ、どうして、を問うよりも、まずゆっくりと休ませること、本人の中から再び活動の力(心的エネルギー)が湧き上がってくるのを待つことが大切なのです。
心が不安定になってくると、食欲が低下し、睡眠が不規則になり、それまでの日常業務(学校・職場へ行くこと、クラブ活動など)に支障をきたし、家族関係、友人関係などにも影響がでるようになります。要するに、食べる・眠る・遊ぶがわるくなります。お子さんがもしも、登校をしぶる・部活をいやがる(すなわち遊ぶに支障が見られる)というような症状を出し始めたら、なぜ、どうして、を問う前に、食べる・眠るの状態をじっくり観察し、対応を考えましょう