ふくろうブログ

こどもの会話と親子の会話

「パッパー、オ帰リー、あのね、○○レンジャーがね、ブーン、ってね、そしたら、ヒューン、ドッギューン、ってね、それでボクもね、ブイーン、ってやったらね、バッコーン、ってなったと。あー面白かったー!」

子どもにとっては、現実と空想の世界は連続しており、自分の経験したものを、何とか親に伝えようとします。言葉による表現力に乏しい年齢では、身振り手振りの役割が大きく、上の表現なども、もし身ぶり手振り、キラキラした目、大きな息づかいがなければ何のことか分りません。

ただ伝えるだけではなく、自分が経験して感動したのと同じ感動を親にも経験してもらいたいのです。経験の共有を求められているわけです。

こういう場合に、「ふうん、そうね、マー君は、ブイーンってしたとやね、そしたら、ドッカーンってなったとね、面白かったねえ、良かったねえ」と言えれば、子どもは喜びます。会話もつながります。
「パッパー、ドッカーンやないと、バッコーンだったよ」と返事がきます。

ところが「そげな訳のわからん話かたしても、パパには分らん。お話するときは、相手の人がちゃんと分るように話さんとね。それにパパは疲れとるよ」などと言えば、それで終わり。子どもの夢は消えてしまいます。

親の役目というのはいろいろ考えられますが、一番大切なのは、こどもの夢にきちんと付き合って、一緒に夢を見ることではないでしょうか。できれば、その夢をふくらませて、夜は、夢いっぱいで眠りにつけるように、こどもの世界の言葉をマスターできるとよいですね。

そういう対応がスムーズにできるご家庭では、こどもは抑圧され悲しい思いをすることなく、のびのびと笑顔いっぱいで育つような気がします。
どんなに疲れていても、こどもの笑顔と“わけの分らん”不思議なお話ほど、私たちの疲れを解消してくれるものはないでしょうから。

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