ふくろうブログ

1998.04.01 ふくろう通信

一木こどもクリニック便り 1998-4月号

そろそろ待望のゴールデンウイークとなります。きっとあちこちお出かけの計画で頭の中は、いっぱいの若いご夫婦が多いことでしょう。ところが、どうしたことかそんな時に限って子どもは病気になるのです。ほんとうに不思議ですね。レジャーのプランも子どもの目の高さで設定しないと、子どもはついてこれないのかも知れません。

最近とみに目にするのがこの言葉。内分泌かくらん撹乱物質ともいわれます。案外知られていなくて、しかも危険性の高いのが、出前のラーメンなど油もののメニュー。ポリラップで包んできますが、このラップ中にかそざい可塑剤として使われているフタル酸エステルが、問題の環境ホルモンです。これは加熱によって溶けやすくなり、また油にも溶出してきます。ですから油ものでしかも熱っせられている状態のテンヤものは、条件がそろっているのですが、さらにポリカーボネート製の食器からは同じく環境ホルモンのひとつビスフェノールAという物質も溶け出してきます。

というわけで、やはりお昼は出前などとらずに、しみじみと冷や飯を食べていた方が長生きできそうです。そういえば、自分の人生冷や飯の連続だったなあ、とため息をついている方へ。一流大学を出て、高級官僚になって、わかいうちから接待漬けに慣らされたあげく最後につかまる人生よりもマシですよ。優秀な人材も環境次第。

格言にもあります。はじめにウマイ汁を吸った人は、あとでクサイ飯を食うことになると。くれぐれもウマイ汁を吸わないように注意しましょう。環境ホルモンさえ入ってなければ、冷や飯でも結構うまい。あったかいホルモンを冷や飯にぶっかけて食べると美味しいのです。 ホルモンだって「環境」の二文字がなければうまいのだ。

結局わけのわからん文章になってしまいました。なお環境ホルモンについて、もっとくわしいことが知りたい方は、「奪われし未来」(翔泳社)をお読みください。

こどもの病気の診かたと看かた⑫診察の手順

こどもの診察は大体以下の順番でおこないます。
年齢や全身状態で変更になることはありますが。
① 顔色、目つき、歩けるか喋れるか、など目でみてわかる情報
② 脈拍、手足が温かいか冷たいかなど、ふれてわかる情報。
   からだの周辺部の様子がとくに大切です。
③ 胸とおなかの診察。いわゆる聴診器を使った診察。赤ちゃんではおむつの中も観察します。
④ 口の中、耳の中など洞窟探検(けっこうむずかしい)
⑤ 最後に神経学的診察などの特殊診察でおしまい。

余談ですが、私は医学生時代に、眼科、耳鼻科、泌尿器科、産婦人科の実習はかなりさぼりました。この4科に共通の特徴は、うす暗い診察室で穴のぞきに精をだすというもの。私は暗室が嫌いだったので、サボリ方はハンパではなかったです(中途半端でした)。

小児科の実習は、明るく楽しい感じで、ギャーギャー泣き声はありましたが、よい印象が残っています。穴のぞきが嫌いで小児科医となったのですが、あにはからんや、弟はからんや、何のことかワカランヤ、小児科医となった私を待ち受けていた非情な運命、それは、

熱のあるこどもの診察では、必ずアナをのぞけ!

だったのです。のどの炎症、急性中耳炎、尿路感染症の三つが、こどもの発熱の大部分をしめるからなのです。つまり明けても暮れても私の日々は

はーい、ノドチンコ見せてねー、お耳みましょうねー、ごめんね オチンチンみせてねー、おしりだそうねー、目えみせてねー…etc.

のくりかえしでした。あーあ、ナンタルチアのオーソレミーオ、こんなはずではなかったなあ、と思ったものです。残りの人生、ずっと穴のぞきで終わるのでしょうか?あな恐ろし。

お知らせ

4月から宗像市郡では、生後7ヶ月健診が個別健診となりました。受診の時期ですが、行政側と医師会との取り決めにより、次のように設定されています。

生後満7ヶ月になる月の翌月の1日から月末まで

すなわち、5月15日に満7ヶ月になるこどもさんの場合には、受診日は、6月1日~30日 の間ということになります。この期間に受診したい医療機関に健診の予約を行ってください。 ただし、電話での予約だけでは健診を受けることができません。該当者には、行政側から受診券が送付されます。必ずその受診券がお手もとに届いてから受診の予約をしてください。

予防接種のご案内:一般の病気受診の患者さんとの接触をさけるために、なるべく土曜日午後2時~2時30分の間に受診してください。最近、水痘、おたふくかぜ、溶連菌感染症、嘔吐下痢症などが流行しており、これらの病気をうつされる危険性がありますので、平日の予防接種はなるべく控えてください。

5月は乳児健診や校医健診が多く、しばしば院長不在時間帯ができてご迷惑をおかけします。 院長不在時間帯は、前の月までに待合室に掲示してあります。参考にしてください。 診察時間は通常は午前8:30からですが、代診の先生の場合には福岡市からの応援のため、午前9:00になります。お間違えのないようにご注意ください。

今月から紙面を刷新しました。バックナンバーは、昨年分の一部の号については若干あります。この紙面で取り上げて欲しい内容がありましたら、院長もしくは受け付け事務までお申し出ください。今後も小児科周辺の関連トピックスを取り上げてゆきたいと考えています。

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