ふくろうブログ

クリームと軟膏

アトピー性皮膚炎や虫刺されなど、いろいろな皮膚の病気に対して、軟膏やクリームをどのように使い分けているのか、時々質問されます。

革靴の手入れには軟膏でなく、クリームを塗りますね。クリームは親水性ですから、塗ると革の中から水分(汚れを含む)を吸い出します。つまり汚れが浮き出てくるので、布でふき取れば汚れがとれるのです。

赤ちゃんの皮膚は、水っぽくてプヨプヨしています。それに表皮が薄く、表面だけは乾燥してガサガサのことが多い。そこにクリームを塗ると、薄い表皮を通して水分が吸い上げられ、乾燥が進むことになります。

軟膏を塗ると体温で溶けて、皮膚の表面に薄い保護膜を作ります。乾燥性の湿疹に対しては保湿作用のある薬が良く、軟膏が適しているのです。

ジュクジュクとただれた湿疹にも軟膏が適します。クリームでは、ただれ面の汚い液が吸い上げられて周辺の正常な皮膚に撒き散らされ、湿疹の拡大が起こることがあります。だいたい赤ちゃんには軟膏ですね。

虫刺されなどで皮膚全体が丘のように盛り上がることがあります。これは表皮の下にアレルギー性の浮腫(水ぶくれ)が生じているわけで、ステロイドや抗ヒスタミン剤のクリームを塗るとすみやかに腫れがひきます。

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