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インフルエンザワクチンについて

例年、インフルエンザらしい患者さんが受診し始めるのは、クリスマスの1週間ほど前です。ワクチンを接種していても、発症そのものを完全に予防できるわけではありませんが、高齢者が重症化することに対しては、明らかに有効であるとされています。6歳未満の乳児・幼児に対しては、脳炎・脳症の頻度が高いため、ワクチンをしておいたほうが安心です。

脳炎・脳症がワクチンで完全に防げるかどうかは、まだ最終的な結論がでていません。当院でもワクチンを接種したのに、インフルエンザにかかってしまった人は結構います。点滴まで必要になる人も、毎年数名ですがおります。しかし、今まで、ワクチンを受けていた人で、入院が必要になるまで重症化したケースは当院ではありません。

平成12年1月から3月までの3ケ月間に、当院を受診されたインフルエンザおよびそれらしき患者さんは、697名(1人1カウント)で、ケイレンが11名、その内訳は、単純型熱性けいれん5名(点滴をして観察し、その日のうちに帰宅)、複雑型熱性けいれん5名(15分以上けいれんが続き、意識障害をともなう状態で、総合病院小児科に入院)、脳炎1名(3週間入院)でした。

この11名は、全員が、初めてインフルエンザにかかった人たちで、ワクチン未接種者です。しかも10名が6歳未満、1名が6歳2ケ月でした。6歳以下が危ないと言えるでしょう

流行開始の3週間~4週間前までに、成人では1回、13歳未満の小児では2回 (1回だけでは十分な抗体ができにくいため)ワクチン接種を完了しておくことです。2回接種の場合、昨年までは、初回と2回目の間隔は1~4週間ということでしたが、十分な抗体をつけるには、3~4週間あけた方がよいということになりました。

インフルエンザワクチンは、もっとも安全なワクチンのひとつで、アメリカ合衆国予防接種委員会の勧告では、妊婦さんに対し、妊娠期間のどの時期にでも接種可能としています。天然モノにかかると、39℃~40℃が数日続くので、胎児に危険がおよぶ可能性が生じます。

インフルエンザには、A, B, C, の3種類があり、A型はさらにA香港型、Aソ連型、に分かれます。C以外のA香港、Aソ連、Bの3型が毎年、組み合わせを替えて混合で流行します。ワクチンには流行型が3型ともすべて入っております。A香港型、Aソ連型については、毎年、少しずつウイルスが変化しており、ワクチンに使用されるウイルスも毎年変更されています。ワクチン製造には、発育鶏卵が必要ですが、その調達ができる農家(ファーム)は限られているため、一気に増産ができるわけではありません。十分なワクチン供給態勢がととのうまでには、あと数年はかかるでしょう。 

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