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今冬のインフルエンザ

2001年は例年よりインフルエンザの流行が遅れ、当院では3月に入ってから急に増えてきました。インフルエンザウイルスは鼻やノドの粘膜に吸着した後に増殖を始めます。粘膜にウイルスがくっついた時点で、IgA抗体という皮膚や粘膜の表面で戦う抗体が登場します。一方、侵入したウイルスを迎撃するミサイルはIgG抗体という、戦闘能力の高い抗体です。
   
現在、インフルエンザワクチンとして使用されている不活化ワクチン(皮下注射)を接種した場合には、IgG抗体だけが作られます。ところが、天然のインフルエンザに罹ったら、IgG抗体だけでなくIgA抗体も作られます。IgA抗体が十分にあれば、インフルエンザウイルスは鼻やノドの粘膜でブロックされて体内に侵入することができません。

予防接種を受けていても罹る人が結構いるのは、不活化ワクチンではIgG抗体しか作られず、したがってウイルスがノドの粘膜から体内に侵入することを防ぐことはできないからです。弱いウイルスを鼻からスプレーで注入する生ワクチンでは天然モノと同じく、IgGのほかに、IgA抗体もできるので発病を防げるそうです。期待しましょう。でも未発売

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