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梅雨どきに多い病気

夏が近づくと、高温多湿の日本列島は、寝苦しい日、蒸し暑い日の繰り返しになります。目には見えませんが、体調を維持するための自律神経や内分泌系の負担がふえます。ゴールデンウイーク明けは、まさにそのような季節。

そこに新学期の疲れや、運動会などの行事が重なると、どのクラスにも体調不良を訴える児童・生徒が増えてきます。朝起きられない、朝食がとれない、ひんぱんに立ちくらみやめまいを起す、とつぜんお腹が痛くなる、頭が痛い、吐き気がする、階段の昇降がきつい、まっすぐ机に座れない…。

私自身、中学から高校にかけてずっと、「全身のだるさ、頭痛、突然の腹痛、朝自力で起きられない、食欲がない、昼寝をすると金縛りになる、夕方から夜だけ別人のように元気…」そんな日々を過ごしていました。

医学を学ぶようになって初めて、私はそれが自分だけの症状ではなく、結構ありふれた普遍的な病気であることを知りました。 「起立性調節障害」という体質性の病気で、高学年児童の3~4%にみられます。小児の自律神経失調症と考えればわかりやすいでしょう。

この体質の人は、神経と筋肉との連絡がときどきうまくいかないようで、神経の端っこから筋肉に向けて放出されるノルアドレナリンという連絡役のホルモンの分泌が気まぐれなのです。  

このホルモン、興奮するとたくさん出るので、好きなことなら考えただけで筋肉はスムーズに動くのですが、「今日は町内の草むしりだ、あーあ」と、思った瞬間に、出が悪くなり(見てきたようなことを書いて済みません)、ぐにゃりと力が抜け、「青ナマコの布団蒸し状態」になってしまうのです。

授業中など一定の姿勢を長くとりつづけると、血液が下半身にたまって、脳貧血となり、保健室へ直行の生徒さんもいます。こんな体質の人でも、適切な治療を受ければ、症状も消え、普通に活動できるようになります。

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