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2002.06.03 予防接種

日本脳炎と予防接種

日本脳炎ウイルスを媒介するコガタアカイエカは、おもに水田で繁殖するため、アジアの米作地帯(モンスーン気候帯)が流行地域になります。日本脳炎ウイルスは、夏の間だけ豚の血液中にいます(理由は不明)。

豚を吸血した蚊に移ったウイルスは、その蚊がヒトを吸血したときに、ヒトに感染します。ウイルスに感染したヒトのうち、300人から3.000人に一人のわりあいで脳炎になりますが、ほとんどは発病しません。

脳炎が発症した時点では、すでに患者さんの血液中にウイルスは存在しないので患者さんから次の患者さんが発生することはありません。

WHO(世界保健機関)の推計では、世界中で、毎年、約43.000人が発病し、11.000人が死亡、9.000人は助かる後遺症を残しているとのこと。
つまり完全に回復するのは、23.000人(53%)となります。

最近の日本人で、生涯一度も、アジアのいずれかの国に観光や仕事で出かけないという人はむしろ少数派でしょう。日本脳炎は、日本国内ではまれな病気ですが、ひとたび発病すれば悲惨な結果になる可能性が非常に高い病気であるがゆえに、今でもまだ予防接種の必要な病気なのです。

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