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夏かぜについて

手足口病やヘルパンギーナなどの夏かぜが少しずつ増えています。病原体はどれもエンテロウイルスです。このウイルスはのどから侵入して、おしりからでていきます。熱のほかに腹痛や下痢・嘔吐をともなうこともあります。

いちど感染すると、ウイルスは5週間くらいからだに居座ります。そのあいだ周りの人にうつしていることになります。幼稚園や保育園などに通園していると、うつされずに済むことはなかなか困難で、本当に流行を遮断しようと思えば、患者さんに5週間も休園していただくしかありません。しかしそれは困難でしょう。

もっとやっかいなことに、エンテロウイルスにかかっていながら、まったくそれらしい症状がなくて気付かれないこどもが結構いることです。もちろんそのこどもさんたちも、他のこどもたちにうつすのです。その場合、保護者の方としては、まさかわが子が、ウイルスをばらまいているなどとは夢にも思っていないでしょう。

まわりで手足口病やヘルパンギーナが流行しているのに、さいわいわが子はかからずに済んだ、でもまだかかるかも知れないから、かかっている(=症状の出ている)よその子どもさんには登園して欲しくない、と思っている保護者の方は多いのですが、何と実は、すでにお子さんはバッチリかかっていて、無症状の保菌者として、流行拡大に一役かっているかも知れません。夏かぜとはそういう病気なのです。

潜伏期間も数日から1週間くらいで、施設内での流行はだらだらと夏休み開始まで続きます。夏かぜをくり返し経験して、毎年たくましく成長していくわけですね。

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