ふくろうブログ

天候と感染症の関係

お正月の寒波で一時的にインフルエンザの患者さんが増えていたのですが、その後の思わぬ暖冬で、今度は手足口病などの夏かぜが見られるようになりました。だいたい週間天気予報を見ていますと、流行しそうな病気の予測がつきます。

冷たい風がふきつけるような冬型の気圧配置が数日つづくと、インフルエンザやRSウイルス(乳幼児に重い気管支炎をおこす)など、呼吸器の患者さんが増えます。

ところが、梅雨どきと勘違いしそうに蒸し暑く、じとじと雨やどんより曇りの日がつづくと、こんどはエンテロウイルスやアデノウイルス感染症が増えてきます。これらは、下痢や腹痛、嘔吐などを起こします。エンテロウイルスでは、口内炎や手足口病、アデノウイルスでは結膜炎や首まわりのリンパ節がはれることもあります。

さいきんのようにお天気がめまぐるしく変わりますと、小児科の外来を受診されるこどもさんの病気も日替わり定食のように変わります。

病気がやっと治って、やれやれとホッとした途端に、また別の病気になってがっかりされるお母さん方も多いでしょう。しかし、病気になることはこどもさんにとっては学習なのですから、がっかりしないでくださいよ、と私は申しております。

こどもさんの生体防衛システム(免疫系、神経系、内分泌系などの総合プログラム)は、病気をひとつ経験するたびに、より完成に近づいていくのです。

たくさんの病気をくり返すこどもさんは、大量の練習問題を解くのと同じ、長い人生のためにはとても大切な学習作業をしているのです。苦悶式学習法と呼べますね。

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